私のTwitterアカウントに掲載した(https://twitter.com/bk_yoo;2020年11月20日15:31)以下の内容をスレッド(8連続ツイート)を、エッセイの形でブログにも掲載します。11月のTwitter掲載時以降に更新されたデータ・ソースも含みます。
残念ながら、以下の情報源の11月時点での、コロナ感染者数についての厳しい予想は、現実のものとなりました。更に残念なことは、日本政府のコロナ対策が今も現実に追いついていないことです。以下の情報源の予想を基に、少なくとも4週間先まで見越したコロナ対策が求められています。
1/8) 今後のコロナ感染者数について「神のみぞ知る」との見解への、サイエンティストからの反論:3つの具体的な情報源の紹介。「神のみぞ知る」よりも正確な情報が必要な、日本の医療機関、自治体、その他の責任ある地位にある方々への情報提供です。対策立案に役立つ筈です。https://www.asahi.com/articles/ASNCM755SNCMUTFK017.html
2/8) 今後のコロナ感染者数について、ある程度まで予想できるサイエンスが「世界には」存在することを紹介します。残念ながら、「日本では」これまで、この分野のサイエンスが、十分な理解と信頼を得ているとは言えません。以下で紹介する3つの情報源は、日本から発信されたものではありません。
3/8) (情報源その1)日本の今後の28日間のコロナ感染者数について、米国のGoogleが精密な数学モデルを基に予想しています。この予想は非常に詳細で、都道府県別に、今後28日間の1日ごとの「検査陽性者数」、「入院・療養等患者数」、「死亡者数」を含みます。以下で公開。https://datastudio.google.com/u/0/reporting/8224d512-a76e-4d38-91c1-935ba119eb8f/page/ncZpB?s=nXbF2P6La2M
4/8) (情報源その2)Facebookが米国のMaryland大学と共同で、世界的な調査を継続して行い、巨大なデータベースを構築しました。有難いことに、その調査結果は一般公開されています。例えば、東京の861名の住民がコロナとインフルエンザの典型的な「症状が出た時点」で、Facebookに自己申告します。
5/8) (情報源その2の続き)従って、この情報は予想値ではなく、現実のデータです。更に重要な事は、日本の既存の感染症のモニタリングシステム(医療機関で検査陽性になった後で、初めてデータベースに記録される)よりも、「早く」感染の変化を探知できる事です。以下で公開(12月6日にData Sourceが改訂版を公表) https://covidmap.umd.edu/
6/8) (情報源その3)これも、2つめの情報源と同様、現実のデータです。既存の医療機関ベースのシステムよりも、(米国の研究では最大で16日も)「早く」感染の変化を探知できるのが利点。この情報源は、Googleの検索エンジンで使われた、コロナ関連のキーワード(マスク、症状等)の経時的変化です。
7/8) (情報源その3の続き)残念ながら、下記文献は米国でのコロナ感染についての研究で、日本の今後の感染を具体的に予想したものではありません。しかし、この文献に倣って、日本でもGoogleTrendsから得られる検索結果のデータを用いれば、同様の研究は十分可能です。https://www.mayoclinicproceedings.org/article/S0025-6196(20)30934-4/fulltext
8/8) 最後に総論。紹介した3つの情報源は、提供する情報の正確さにおいて、十分サイエンスと呼べる質を持ちます。これらの情報源の、更に具体的な解釈については、別のスレッドで説明します。日本政府がさじを投げたとしても、サイエンティストは日本社会への貢献を容易に諦めるべきではありません。